完結した漫画のレビュー

サクラサケ

鏡の国の針栖川

鏡の国の針栖川

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作者 叶恭弘
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
巻数 全3巻
評価 ★★★☆☆

◆あらすじや事前情報

エムゼロ・プリティーフェイスでお馴染みのジャンプのお色気ラブコメ担当の叶恭弘先生の作品。「鏡の国のアリス」のタイトルを元ネタにひょんなことから謎の鏡に吸い込まれてしまった高校生の針栖川哲とその秘密を共有するヒロインの里見真桜のラブコメ作品。

全3巻と短く、かつテンポよく読めるのでラブコメ好きなら是非読んでみて欲しい。

◆ネタバレ感想

叶先生のラブコメはお馴染みの設定があり「ラブコメ」「エッチ」「不思議なチカラ」の3点セットがこの作品にも存分に発揮されている。鏡に吸い込まれて交代で出入りできる設定は問題ないが(本当か?)、針栖川が旅に出るという設定で学校を休学し家族もそれを何も問題にしない展開にはちょっと強引さを感じた。まあ、そこらへんはお約束なのであまり突っ込まないでおきたい。

他の作品同様に安定した作品レベルで3巻で終わってしまうのがもったいない感じもするし、3巻程度でまとめるのがストーリー的にも一番安定していいのかとも思う。話の流れから3~5巻で完結まで持っていかないと色々間延びしてつまらない作品になったであろう。

ちょっとだけ意外だったのがヒロイン里見の親友である松川咲を針栖川が好きになって両想いになったことである。通常の展開だとヒロインの親友が主人公を好きになっちゃうという展開になっても主人公はたいていヒロインが好きだからという流れて最後には非情にも相手を振るのがお約束である。そういった点からちょっと意外な流れであった。

今回のケースはお互いが両想いになると「鏡から脱出でき、かつ相手が自分のことを好きだったという記憶が消える」というフラグを立てる必要があったからだろう。

松川の記憶が消えた事から針栖川は里見に告白すると両想いであっても里見が自分のことを好きなのを忘れてしまう。という恐怖のジレンマに陥ることになり、それがストーリーに深みをもたせることができた。

最終的に相手に忘れられても懲りずに里見に公衆の面前で告白するという行動にでて物語は終わりを迎えるのであるが、結局ハッピーエンドを迎えられてよかった。ストーリーの着地の仕方もよく、テンポ良い軽快な作品に仕上がっている。

叶作品の安定度は抜群だ。次回作にも期待したい。

-鏡の国の針栖川

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