完結した漫画のレビュー

サクラサケ

心が叫びたがってるんだ。

心が叫びたがってるんだ。

投稿日:

作者 超平和バスターズ(原作) 阿久井真(作画)
出版社 小学館
掲載誌 裏少年サンデーコミックス

★★★☆☆ 普通に面白い漫画。時間を損したとは思わない漫画。

◆あらすじ

この作品はアニメ映画として人気を博し

第39回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞
文化庁メディア芸術祭アニメーション部門・審査委員会推薦作品

などを受賞したアニメ映画のコミカライズ作品です。作品のテーマはタイトルの通り「心に秘めた言えない想い」です。

物語の舞台は高校で学園モノのストーリーです。ひょんなことからミュージカルをすることになった主人公を含むメインキャラの男女4人が織りなす人間模様を描いた作品です。

ミュージカル作品なので本来なら漫画よりアニメの方が当然音がでるのでオススメです(笑)でも、コミックも十分に面白いですよ。

◆ネタバレ感想

人気アニメのコミカライズであり作画を担当した阿久井先生も素晴らしい画力で魅力的な絵柄に仕上がっています。ストーリーは最後までしっかりと出来上がった上での製作となったので見ていて一直線に物語が進みます。

読んでみると一から作られたオリジナル漫画ではなく、ラノベか何かの脚本がある作品を漫画化しのだとわかる作品です。というのも作品のテンポが漫画独特のテンポでないからです。まあ、アニメのコミカライズだと知っていれば全く問題ありません。

肝心の感想なのですが、私はヒロインである順の父親の一言が気になってしまいました。離婚した際に「全部お前のせいだ」と小学生の自分の娘に言うんですよ。「いやいやいや、悪いのは浮気したあなただから。あんたが浮気したせいで彼女は全く悪くありませんよ」とあまりの責任転嫁にビビりました。

アニメ映画が受賞をしてるような良作でありますが、漫画はうまくそれを消化できてないようでうまくいえないのですが面白いんですが、すごく面白いというわけではないんですよね。

なんというか、漫画には漫画、アニメにはアニメの良い点があるわけですが、漫画化する際に漫画の良さを引き出した脚本に直されていないというか・・・ただ、アニメを漫画にしただけなんです。うまく言えないけどそんな感じです。

主要メンバーの身近な人達は例えば両親や野球のチームメイトはたいていが理解者の1人を除いて(お祖母ちゃん、親友の主将)だいたいが酷い人達でそんなわけで主人公たちの心がねじ曲がり、心の底に叫びたい思いを秘めているわけです。

ヒロインの順に対して、拓実が優しくするのですが彼女が喋れないというある種の「障害」を抱えているために、単純に恋愛的な好意から優しくしてるのか、単に障害の為にクラスで孤立している彼女を助けようとして優しくしてるのかを判断すると後者の方だと思ってしまうので、イマイチ彼女が裏切られたとショックを受け、ラブホテルという名の天の岩戸に籠もっても「え?期待してたの?」と思ってしまいました。

変な話ですが、スクールカースト的には最低のポジションにいた彼女があの流れだと普通は「期待しちゃだめ、私は喋れないから優しくしてくれるんだ」と考えるオプションも余裕であっただろうな~と思ったりしてしまいました。そう考えると彼女も少し欲張りな性格ですね。

そんなわけでアニメ化されるような作品の質にも関わらず★4ではなく★3になりました。正確には★3.5ぐらいですね。作品のことが大好きな人はすいません。この場を借りてお詫びします。

-心が叫びたがってるんだ。

Copyright© サクラサケ , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.